老後が不安で、保険に入ったことはありませんか?
「とりあえず何かやっておかないと怖い」
そんな気持ちで選んだ保険が、本当に自分に合っているのかどうか。
正直、よく分からないまま続けている人も多いと思います。
私もその一人でした。
少ない年金。退職金のない仕事。家族のいない独身。
41歳のとき、そんな老後不安から変額個人年金保険に加入しました。
掛け金は月3万円です。
自分で備える年金。
当時は「これが最良の選択」だと思っていました。
ですが10年後、その考えは大きく変わります。
ふとしたきっかけで、
「これ、保険じゃなくて投資商品では?」
と初めて、「保険の中身」について考えるようになったからです。
そこから私は、
「この保険はどんな商品なのか」
「今の自分にも本当に合っているのか」
を改めて調べ始めました。
そしてその結果、解約という判断をすることになりました。
とはいえ、10年間も「老後のお守り」として続けていた保険です。
理屈では「やめた方がいい」と分かっても、実際に解約に踏み切るにはかなりの勇気が必要でした。
しかし結果的にこの経験が、現在の投資の考え方へと繋がりました。
そしてさらに、他の保険の見直しへと連鎖していきます。
この記事では、変額個人年金保険に
- なぜ加入したのか
- なぜ違和感を持ったのか
- なぜ解約を決断したのか
その判断の流れを整理していきます。
変額個人年金保険に加入した理由
私は長い間、実家で農業をしていたため、年金はずっと国民年金だけでした。
その後、農業をやめて今の仕事に就いたことで厚生年金にも加入するようになりましたが、何しろお給料が少ない仕事です。
- 約20年間は国民年金のみ
- その後、就職して厚生年金に加入
- ただし給料は少ない
- 退職金もない
正直、将来もらえる年金が十分とはとても思えませんでした。
40代に入り、「老後」に少し危機感を覚えた私は、41歳のときに自分年金のつもりで変額個人年金保険に加入しました。
保険代理店のFPさんに相談し、60歳まで払込み、
- 60歳から15年受け取るタイプ
- 70歳から5年受け取るタイプ
という2本立てで設計してもらいました。
- FPさんが自分のために選んでくれた保険
- 受取開始年をずらした二段構え
当時の私は、この設計にかなり安心していました。
そしてその後10年間、ほとんど中身を見直さないまま保険料を払い続けていたのです。
違和感を持ったきっかけ
私が入っていた変額個人年金保険は、運用次第で将来の受取額が増減する商品でした。
投資先も全世界株式型。
つまり、実態としてはかなり投資商品に近い保険だったのです。
ですが当時の私は、そのことをきちんと理解していませんでした。
もちろんFPさんから説明は受けていたと思います。
でも結局、私は分かったつもりになっていただけでした。
このことに気づくのに、私は10年かかりました。
きっかけは、自分で始めた積み立て投資です。
投資を実際にやってみて初めて、商品価格は日々値動きするものだと、体感として理解しました。
そのとき、ようやく思ったのです。
変額個人年金保険って、「保険」と言っているけれど、かなり投資なのでは?
他人任せの判断から、自分の判断へ
そこから私は、自分が信じていた保険を改めて見直すことにしました。
自分で買っていた投資信託も、変額個人年金保険の投資先も、どちらも「全世界株式」でした。
そこでまずは、その違いを比較してみたのです。
投資信託のシミュレーションツールを使い、過去10年の運用実績と保険の運用実績を比べてみると、その差はかなり大きいものでした。
どちらもプラス運用ではあるものの、その差は100万円以上。
保険の運用益は、投資信託より150万円近く低かったのです。
同じように全世界へ投資していて、ここまで差が出る。
ということは、その間にかなりのコストが引かれているのではないか。そう考えました。
そこで今度は手数料について資料を読みました。
ですが、明確な内訳を自分で把握することはできませんでした。
この時、私が見たのは「増えているかどうか」だけではありません。
- 何に投資しているのか
- 手数料を自分で説明できるのか
- 今の自分に合う設計なのか
この3つを見た時、もう続ける理由をうまく説明できなくなっていました。
さらに、私の保険は75歳で支払いが終わる設計でした。
40代の頃は、75歳まで備えれば十分だと思っていました。
ですが50代になってみると、その考えも大きく変わっていました。
75歳で収入源が終わってしまったら、その先はどうするのか。
長生きリスクは、40代の頃に思っていたよりずっと重い問題でした。
この保険は、もう続ける意味がないかもしれない。
私はここで初めて、自分が入っている保険に自分の判断を出しました。
解約という決断
今の私に、この保険は不要かもしれない。
そう判断できても、実際に解約するのは簡単ではありませんでした。
理解はしているのに、気持ちが追いつかない。そんな感じです。
- 運用益はプラスだった
- 10年続けてきた
- 投資も並行してやっている
こんな思いが入り混じって、
「このまま保険は続けて、投資信託と二重の備えにすればいいのではないか」
という考えもなかなか捨てきれませんでした。
10年続けたものをやめるのは、お金の問題というより、
「自分の判断が間違っていたかもしれない」と認める怖さだったのだと思います。
それでも最終的に解約に踏み切れたのは、
- このまま続ければ、また不明瞭なコストを払い続けることになるかもしれない
- モヤモヤを抱えたまま、月3万円をこの先も払い続けるのは無理だと感じた
そんな腹落ちしない感覚が、最後まで消えなかったからです。
解約後に起きた変化
清水の舞台から飛び降りるような気持ちで解約した結果、私は新NISAで月10万円の積み立て投資という、新しい老後対策を取ることができました。
保険の解約返戻金を、そのまま新NISAの原資にしたのです。
定年まであと10年ちょっと。
自分で納得した金額で、自分が納得した投資をする。
月の手取り給与が14万円の私にとって、これはアルバイトをしていても簡単には作れない積立額です。
生活自体は大きく変えていないのに、積立額は増え、気持ちにも少し余裕ができました。
もちろん、暴落というリスクがあるのが投資です。
老後不安が完全になくなったわけではありません。
それでも、自分で納得して払う10万円と、他人に決めてもらったまま払っていた3万円では、金額以上に意味が違うと感じました。
解約後に広がった保険の見直し
今回の解約は、さらに他の保険の見直しにも繋がりました。
- 医療保険
- 自動車保険
- 火災保険と地震保険
変額個人年金を見直したことで、「自分のお金をどう使うか」という意識がやっと芽生えたのだと思います。
結論
私は保険も投資も、その時その時で「これが最善だ」と思って始めてきました。
そのこと自体は、当時の自分としては間違いではなかったと思います。
ただ問題は、判断の軸が自分にあったのか、それとも他人に預けたままだったのか。そこだったのだと思います。
10年かけて私は、失敗もしながら「自分で判断する」ことを少しずつ学びました。
何年後かには、また別の選択をしているかもしれません。
でも次もきっと、
「よく分からないまま続ける」のではなく、
「自分で納得して選ぶ」方を取りたいと思っています。


コメント